プロジェクトの概要
アジア最大級の食品・飲料専門展示会であるFOODEX JAPAN 2024にて、海外バイヤーや国内事業者を招いたレセプションを開催。著名料理人による料理デモや事業者との交流を通じ、日本産水産物の魅力や安心・安全性を訴求しました。さらに、現地の食文化に合わせた調理法の提案や試食体験を提供し、日本食材の多様な活用方法を実感してもらう場としました。加えて、国内外のインフルエンサーやメディアも招聘し、体験や料理の感想をSNSなどで発信することで、海外一般層への認知拡大も図りました。

抱えていた課題
海外における輸入規制の強化を受け、日本産水産物は主要市場の縮小により販路の見直しが急務となりました。品質や安全性に関する情報発信を行い、海外バイヤーからの信頼獲得を行い、新たな輸出先の開拓と価値訴求を目的とした広報・PR戦略の構築が必要でした。また、欧米市場に加えて中東や中南米などの新興市場も視野に入れ、それぞれの特性に即した情報発信と認知度向上の取り組みが求められていました。
施策のポイント
前菜からデザートまでの試食・試飲を伴うレセプションの実施
東京ビッグサイトで開催されたFOODEX JAPAN 2024の初日に、約2時間の試食・試飲を伴うレセプションを実施しました。輸出重点品目のホタテ、ブリ、タイを使った料理を中心に、各国の食文化に合わせた調理法で前菜からデザートまでを提供。参加者は坂本元農林水産大臣、海外バイヤー17社39名、インフルエンサー16組、国内事業者32社、報道関係者10社など多彩な顔ぶれが集まり、商談や交流が深まりました。


参加者の理解を促すパンフレットやパネルの制作
レセプションでは、海外バイヤー向け招待メールに添付する案内状の制作や、日本産水産物の食材紹介や調理方法(レシピ)、ホタテの魅力などを紹介したパンフレットなどの制作も担当しました。会場内では各料理・飲み物の配置場所に解説パネルと食品表を設置し、参加者が理解を深められる工夫も実施。さらに、ハラルのような宗教による食のタブーに配慮し、みりんなどを代用品に差し替えた料理を提供しました。

イベントの目的やターゲット国に合わせた人材のキャスティング
本プロジェクトでは、中東・南米・東南アジア・欧州と、輸出強化を目指す地域で高い発信力を持つ海外インフルエンサー計16組を招聘し、各国の文化や嗜好に沿ったメニュー提案と各言語(英語、フランス語、スペイン語、ポルトガル語、アラビア語、インドネシア語、台湾語、タイ語)による情報発信を実現。ターゲット層に響く人材選定と企画力を融合させ、国内外への情報発信力を最大化しました。

実施した結果
これらの施策によって、日本産水産物の安全性と高品質を具体的に伝え、海外バイヤーの信頼獲得と販路拡大を後押ししました。また、多様な参加者との直接的なコミュニケーションを通じて、ブランド価値の向上と新たな市場開拓を実現。加えて、現地の文化や嗜好に配慮した情報発信を行うことでより深い理解と共感を促進し、持続可能な関係構築に繋げました。
実施後のアンケートには、国内事業者の約50%、海外バイヤーは100%が高い満足度を示し、安全性や品質の訴求に成功。会期中はバイヤーと事業者のマッチングも実現し、新規市場創出の足掛かりとなりました。