プロジェクトが目指す姿
開発途上国に対して政府資金を用いて行われる資金や技術の協力を政府開発援助(ODA)といいます。本プロジェクトでは、こうしたODAに関する正しい情報をわかりやすく伝えるとともに、その実施機関であるJICAの活動の意義も紹介するコンテンツの制作計画を進めました。
取り組んだテーマ
ODAは、その目的や使途について誤解されることがあり、また「単なる国際貢献ではなく日本にも利益をもたらしている」という事実も十分に知られていませんでした。そのため、そうした誤解を持つ人々や、誤解に基づいて批判的な立場をとる人々に対し、いかにわかりやすく正しい情報を伝えるかが課題でした。複雑になりがちなODAや国際協力の説明も、できる限りシンプルで噛み砕いた表現にすることが求められていました。
成果を生むポイント
シンプルでテンポのよいアニメーションで「繰り返し見たくなる」を実現
ODAと、その国内への還元をより身近に感じてもらうため、私たちの生活の中にある「ODAの影響」にフォーカスしたアニメーション動画を制作しました。「お刺身のサーモン」「たこ焼きのタコ」など、誰もが親しみを持てる具体例を取り上げ、若年層でも最後まで飽きずに視聴できるテンポの良さとシンプルなグラフィックで、「何度でも繰り返し見たくなる動画」を目指しました。ODAの正しい情報を伝えるとともに、いかにも「啓発動画」といった押し付けがましさを避けた適度な距離感のストーリー設計を意識。また、ODAの実施機関である国際協力機構(JICA)の活動の意義についてもスムーズに伝わる構成としています。

分かりやすさを重視し、視聴者の「自分ごと化」を導く
「分かりやすさ」と「正確性」は、ともすればトレードオフの関係に置かれがちですが、本企画では視聴者の立場に立った「分かりやすさ」を最優先しながらも、最大限の正確性にも配慮しました。一般市民がODAを「自分ごと」として捉えられるよう導くとともに、国際協力の関係者にも啓発ツールとして活用してもらえるコンテンツ設計を実現しました。


得られた効果
視聴完了率が高く、多くの方に最後までご覧いただけたことで、ODAへの正しい理解の促進に貢献しました。シンプルでわかりやすいグラフィックは大型ビジョンとの相性も良く、外務省主催の国内最大級の国際協力イベント「グローバルフェスタJAPAN 2024」でも大型ビジョンで放映されるなど、さまざまな場面で活用できる汎用性の高いコンテンツとして、高い評価をいただきました。